ホルモンを介した植物の集団生長
−感受率変化を取り入れた根の生長モデル−


川口 聡  三村 昌泰  大矢 智幸  岡部 弘高  甲斐 昌一


1.はじめに
 我々はこれまでに発芽・発根期のアズキにおいて生長のよい根がクラスターを作ったり, 群生の端において特異な生長をするという現象を報告してきた
1),2). これらの現象は自己間引き(self thinning)や周縁効果(edge effect)3),4)として知られているものと類似している. 自己間引きや周縁効果は, 生長した植物において光や水・養分など資源の獲得をめぐる個体間の競争によるものとされている. しかし, 根の発芽・発根期においては養分は種子から供給されるのでこのような効果は考え難い. そこで我々は, このような根におけるクラスター化の原因として植物ホルモンによる相互作用が重要な役割を果たしているのではないかと考えてきた. 植物は, 動物のように動くことが出来ないので, ホルモンで制御しながら, 環境に適応したり自己の生理状態を保っている. 現在までに6種類の植物ホルモン(ジベレリン, アブシジン酸, オーキシン, エチレン, サイトカイニン, ブラシノステロイド5),6),7),8))が知られている. この中で我々は, ジベレリン(GA3), アブシジン酸(ABA)とオーキシン(IAA)がアズキの根の集団生長にどのように作用するかを実験的に明らかにしてきた1),2). そして, 実験の結果を基にモデル方程式1)を立て, それらの集団における振る舞いを理解しようとしてきた.
 本報告においては, ジベレリンとアブシジン酸に対応する生長促進・抑制ホルモンについて, これまでに立てたモデル方程式に対する数値シミュレーションを行った. さらに, 新たに見いだされた実験事実, すなわち, 生長段階に依存して植物ホルモンに対する感受率が変化するという効果を取り入れた修正モデルを立て, それについても検討を行った.


2.モデル方程式とホルモン感受率
2.1ホルモン依存生長モデル
 モデルを構築するために, 種子の発芽・発根期における生長について次の仮定をする.
 (2) 細胞分裂と細胞伸長は根の先端のみで起こり,太さは途中で変化しない.
 (3) 根の生長は1次元的であるとする(側根は考慮しない).
 (4) このような仮定が成り立つ場合, 位置r, 時間tにおける根の長さL(r,t)はロジスティック方程式

に従い, それは実際のアズキの根の生長をよく説明することは既に報告した
9). さらに実験9),10),12)から得られた知見を基に,次の仮定を導入する.
 (4) 発芽・発根期における生長は植物ホルモンのみの支配を受け,それはロジスティック方程式の変数a, bにのみ作用する.
 (5) 生長に促進的と抑制的に働く2つの植物ホルモンのみが作用する(各GA3(促進的)とABA(抑制的)のみを考慮する).
 (6) 生長に促進的と抑制的に働く植物ホルモンはそれぞれ根の生長の加速度と速度に比例して分泌される(バイオフォトンの放出と植物ホルモンの分泌には相関があ
   るという実験事実からの仮定).
 (7) 根の生長に対する植物ホルモンの効果は生長段階に従って変化する.
実験結果より ,a ,b は成長促進ホルモンの濃度A (r,t), と抑制ホルモンの濃度B (r,t)の関数である. a のホルモン濃度依存性は小さいので, 以下では定数とする.こうしてa, b は次のように書き表せる.
   

 ここで,b0は定数であり,bA (A),bB (B) は,A, B が1.0 × 10-10[M]から1.0 × 10-4[M]のときには,


である, またbA(A < 1.0×10-10)=bA(1.0×10-10),bA(A > 1.0×10-4)=bA(1.0×10-4), またbB(B)も同様とする. 次にホルモンの拡散による個体間相互作用を次のように表す.

ここで,f (r) は種子の分布関数, dAdB は各ホルモンの拡散係数,ccB は失活係数, sAsB はホルモンの分泌係数で全て正の値である. なお, H (z) は, z < 0でH (z) = 0, z > 0でH (z) = 1を満たす階段関数である.

2.2 生長段階に依存するホルモン感受率
 さらに, 実験事実に基づき生長段階に依存するホルモン感受率χa, χbを導入し, abを,χaa, χbbで置き換える.
 
ただし, aを定数としたことから、以下ではχa = 1.0とする. χaχb は,

である. ここで



であり, κA, κB, TA, TB, τA, τBは全て正の定数である. また, 平均ホルモン濃度, は次式で与えられる.


2.3 境界条件と無次元化
以上の計算は領域 Ωで行われ, Neumann境界条件 (δA/δn =δBn =0 )を課す (境界δΩにおける外向きの基本ベクトルをnとする). さらに無次元化のため, 下記の変数変換を行う.
  (1) 時間ι→ι/ι1/2,
  (2) 長さと座標 L→L / L0,  x → x / X0,  rr/X0
  (3) 濃度 A, B → A/Z0, B/Z0 (Z0}=10-10[M])各変数は, a → a ・ t1/2, b→ b ・ L0t1/2, dA → dA ・ t1/2/X02, dB → dB ・ t1/2/X02 ,cA → cA ・ t1/2, cB → cB ・ t1/2, sA → sA ・ L0 /Z0t1/2, sB → sB ・ L0 / Z0, κA→ κA ・ Z0ι1/2 , κB → κB ・ Z0ι1/2に変換される. ただし、文中では拡散係数 dA, dBの値は水素イオンの拡散係数(dH=17.28 [mm2/h])に対する比(dA/dH, dB/dH)で示した。

3.数値シュミレーション
 以下では式(5) -(7)を用い, ホルモンに依存して集団生長がどのように影響を受けるかを調べる. まず, 実験結果より変数cA , cB , dA, dB, sA, sB, b0, κA , κB, τA, τB, TA, TBt1/2, L0, X0 の値を決定する. ホルモンの化学的活性度を考慮して失活係数cAcB> より一桁小さく, cA =1.0 × 10-3, cB =1.0 × 10-2 とする. また, 種子の生長は2種類のホルモンが拮抗してなされると考えられるので分泌は同程度になるように, sA = sB=1.5 × 102とする. ホルモン濃度Z0の際の根の最終長は平均してL0 =15[mm]になるので, b0 =2.283 × 10-3 [(mm ・ h)-1]である. また生長曲線から根の長さが最終長Lの半分になる時間をt1/2 =100[h]とする. また, X0として実験における種子間隔20[mm]を選ぶ.

3.1 空間的ホルモン分布を与えた場合
 ここではホルモンを与えた実験
2)と比較する. 式(7)においてχa =χb =1.0とし, ホルモンを与えた実験を再現するため, ホルモン濃度分布を時間的に一定とし, 1次元で考える. また, 根の初期値を,



とし, 分布関数f(x) を図-1(a)のように不連続関数とする. 以上の条件で, ホルモン濃度A(x) を図-1(b), B(x) =1.0とした場合, 根の最終長の分布は凸型(図-1(c))となる. 一方, A(x)B(x) の分布関数を取り替えた場合, 根の最終長の分布は凹型(図-1(d))となる. この様な数値計算の結果は実験結果とよく一致し, 空間的ホルモン濃度の分布が特徴的な生長パターンの原因となることをモデルから明らかにすることできた.

図-1 空間的に固定されたホルモン濃度分布下の生長
     (a) 種子分布関数 f(x)
     (b) ホルモン濃度分布 A(x), (B(x) =1.0)
     (c) 根の最終長の分布 L(x)
     (d) 根の最終長の分布 L(x)

3.2 ホルモンの拡散速度の効果
 この節では一定の感受率(即ち式(7)においてχab =1.0の場合)での検討を行う. ある1つの種子からホルモンが分泌され, 周囲の他の種子へ拡散し影響する場合を考える. 初期条件として

を与える.

(a) 促進・抑制両ホルモンの拡散速度が同程度の場合
 今我々が植物ホルモンとして想定しているGA3ABAは, さほど分子量が違わないので, 水や寒天培地中での拡散係数も同じオーダーであろう. しかし, 実際にはホルモン作用点までの拡散が重要であり, これを考慮すれば, 植物中ではチャネルのような機構で運ばれるので, 溶媒中の拡散係数とは大きく異なったものとなる. ここでは, まずdAdBを1.0とする. このとき, 単独の種子の生長曲線は図-2となり, ロジスティック曲線によく一致する.次に, 集団の効果を調べるため, 分布関数f(x) を図−3(a) のような階段関数とする. 中央の位置での生長曲線L(l/2,t)(l は全体の長さ)は図−3(b) のようにロジスティック曲線となる. しかし, 最終長は単独に植えた場合(1.0)に比べてやや短くなり, 集団の効果が現れている. 促進ホルモンの寿命は抑制ホルモンに比べて長いが, 初期を除いて抑制ホルモンの濃度が大きくなっていることが分かる(図−3(c)). また, 根の最終長の分布は図−3(d ) のように空間的に一様となる.

         









  図−2 単独の種子の生長曲線. 実線は式(7)-(6)とdA =dB =1.0を用いて計算したL(t),
       波線はa=2.533, b=2.558のロジスティック曲線.


図−3  1次元での集団生長(dA =dB =1.0)
      (a) 種子分布関数f(x)
      (b) 培地中心での生長曲線(実線は計算結果L(l/2,t), 波線はa =2.648, b =2.830のロジスティック曲線)
      (c) 培地中心でのホルモン濃度の時間変化(実線はA (l/2,t), 波線はB (l/2,t)を表す)
      (d) 根の最終長の分布L(x)


(b) ホルモンの拡散速度が大きく異なる場合
 次に, dA を小さく, dA を大きくした場合, 培地中の促進ホルモン濃度は高く, 抑制ホルモン濃度は低くなる. したがって, 図−4(a) (b) のように内側の種子は高い促進ホルモン濃度下で早く育ち, 根の最終長の分布は図−4(c) のような凸型になる. 一方, dA を大きく, dB を小さくした場合, 培地中の促進ホルモン濃度は低く, 抑制ホルモン濃度は高くなる. したがって, 図−5(a)(b)のように内側の種子は高い抑制ホルモン濃度下で育ちが悪くなり, 根の最終長の分布は図−5(c) のような凹型になる.


図−4 抑制ホルモンで拡散係数が小さい場合(dA = 10.0, dB = 1.0 × 10-2). 種子の分布関数は図−3(a)
     (a) 培地中心における生長曲線(実線は計算結果L(l/2,t), 波線はa =2.648, b =3.061のロジスティック曲線)
     (b) 培地中心におけるホルモン濃度の時間変化(実線はA(l/2,t), 波線はB(l/2,t)を表す)
     (c) 根の最終長の分布L (x)




図−5 抑制ホルモンで拡散係数が小さい場合(dA = 10.0, dB = 1.0 × 10-2). 種子の分布関数は図−3(a)
     (a) 培地中心における生長曲線(実線は計算結果L(l/2,t), 波線はa =2.648, b =3.061のロジスティック曲線)
     (b) 培地中心におけるホルモン濃度の時間変化(実線はA(l/2,t), 波線はB(l/2,t)を表す)
     (c) 根の最終長の分布L (x)


 次に図−6(a) のように種子の分布関数f(x) を連続なものにする. この場合にも根の最終長の分布は拡散係数dAdB に依存したものとなる. もしdAdB に比べてかなり小さい場合, 根の密度が高い場所にある種子の生長は良くなる(図−6(b)-(i)参照). 一方, dBdAに比べてかなり小さい場合, 自己間引き作用によって根の密度が低い場所で生長が良くなる(図−6(b)-(ii)参照). このような結果から, 根の最終長の分布は種子の分布と, 促進と抑制ホルモンの拡散係数の違いに依存して変わることが分かる. 実験においても拡散係数が小さい方がクラスター化の傾向が大きく, 計算の結果と一致している.

図−6 連続分布の場合
     (a) 種子分布関数f(x)
     (b) 根の最終長の分布L (x)  
      (i) dA = 1.0 × 10-2, dB = 10.0
      (ii) dA = 10.0, dB = 1.0 × 10-2

(c) 2次元分布
 種子の分布関数として矩形のf (r)(図−7(a))を用いる. 1次元の場合と異なり, ホルモンは周辺への拡散効果が大きいので, 周辺ほどホルモンの効果は弱くなる. dAdB に比べて小さい場合, 促進ホルモン濃度は中心部で高くなり, 根の最終長は中心部で大きくなる. (図−7(b)-(i)参照). 一方, dB が小さい場合には, 抑制ホルモン濃度は中心ほど高くなり, 周辺ほど中心に比較すると生長が良くなる. (図−7(b)-(ii)参照) このような結果より, dAdB の差がホルモン濃度の分布を生じさせ, 根の最終長の分布の原因となることが明らかとなった.

図−7 2次元の集団生長
     (a) 種子の分布関数 f (r)
     (b) 根の最終長の分布 L (r)
      (i) dA = 2.5 × 10-4, dB = 2.5 × 10-3
      (ii) dA = 2.5 ×10-3, dB = 2.5 ×10-4

3.3 ホルモンによる相互作用において感受率が変化する場合
 ここでは生長段階に依存してホルモンに対する感受率が変化する場合を検討する. なお, ホルモンの効果を明確にするため, ここでは拡散係数として小さな値を用いる. 種子に対して異なる生長段階で同じ量の抑制ホルモンを与えた実験結果が図−8(a)で, モデルを用いた計算(図−8(b))が実験を定量的によく再現していることが確認できる.

図−8 異なる生長段階で抑制ホルモンを与えた根の生長曲線
     (a) 実験(ABA1.0 × 10-4[M]を, 給水後48, 96, 144時間後に与えた)
     (b) 計算(実線, 破線, 点線, 一点破線は各t = 1.0, 2,0, 3.0, 4.0で抑制ホルモン1.0 × 103与えた場合.
         dA =dB =1.0 × 10-2, TA =TB =2.0, τAB =1.0 × 10-1, κA = κB = 5.0 × 10-7)

 次に生長段階に依存して変化するホルモン感受率が集団生長においてどの様な影響を及ぼすかを検討する. 種子の個体差を導入するため, 生長速度に相当する変数aの初期値に乱数ξ(r), |ξ(r)|/a0〜 σ/W 〜 0.13, のバラツキを与える. ここでWとσは, 実験時の種子の平均重量とその標準偏差で, a のバラツキ度を実験における重量のバラツキ度と同程度に設定した. こうして式(7)中のa は次式(14)で与えられる.

まず, 1次元においてκAB =0.0の場合, ホルモン感受率は一定となり, 初期値としてaにバラツキを与えても根の最終長のバラツキは小さくなる(図−9(a)参照). 一方, κA ≠κB ≠ 0.0とした場合, 初期の生長速度のバラツキはホルモンの感受率が大きいために増幅され, 根の最終長におけるバラツキは十倍にもなる図−9(b)参照). この様な初期のバラツキの増幅は促進・抑制の両方で起こる. すなわち, χbA (A)もχbB (B)も大きい場合, χbA (A)は生長促進をさらに助長し, χbB (B)は抑制する. したがって, 種子の置かれる状況, すなわちモデルでは変数の違いによって最終的な状況は大きく変わる. ここで行った1次元系では, χbB (B)の効果が支配的であり, 初期に生長速度が大きい種子は抑制ホルモンを多く分泌し, 根の最終長は短くなった.

図−9 生長段階に依存する感受率の影響(種子の分布関数は図−3(a),
     dA = dB =1.0 × 10-2, TA =TB =2.0, τA =τB =1.0 × 10-1)
     (a) κAB = 0.0 (χab =1.0)
     (b) κAB = 5.0 × 10-7

 次に2次元においてκAB =0.0の場合, 生長の良い種子の分布はほぼ一様で, 格別にクラスターは形成されていない(図−10(a)参照). しかし, κA ≠κB ≠0.0においては, 生長の良い種子は局在化し, 明らかにクラスターを形成している(図−10(b)参照). この2次元系ではχb(A)の効果が支配的となり, 初期に成長のよい種子の方が最終長も大きくなる傾向があった. そして, ここで得られた集団生長のパターンは実験で得られたものと非常によく似ている. 我々のモデルによって示されたように, 系が持つ不安定性によって, 初期の小さな個体差がホルモン分泌時期の差によって増幅され大きな相違として現れることが明らかになった. この様なダイナミクスは結晶成長においても知られており, 初期のランダムな核生成に内在する不安定性によってクラスターの形成や巨視的パターンが生じる. これは競合成長モデルと呼ばれている.

図−10 根の最終長が大きい所の分布(生長段階に依存する感受率の影響)
      種子の分布関数は図−7(a), dA =dB =2.5 × 10-4, TA =1.0, TB =2.0, τAB =1.25 × 10-1
      (a) κA = κB = 0.0. (χa = χb = 1.0)
      (b) κA = 2.0 × 10-5, κB = 2.0 × 10-6


4. 結論
 我々のモデル方程式は, 生物の模様や細胞の分化などを記述するチューリング方程式に似ている. しかしながら, チューリング方程式では促進物質と抑制物質の分布を2つの異質な細胞の分布と見なしているのに対し, 我々のモデルでは促進物質と抑制物質の濃度とは別に, 生体細胞のダイナミクスを導入し, それをそれぞれの促進, 抑制物質のダイナミクスと結びつけて定式化している. この点が大きくチューリングモデルと異なっており, これはチューリングモデルの改良というよりも全く新たな生長方程式というべきものである. 加えて強調したいのは, 生長段階に依存したホルモン感受率を導入した点である. このようなダイナミクスはこれまで考慮されなかった. また数値シュミレーションの結果は, 種子の集団生長にホルモンの影響があることを示唆している. これは, たとえ全く同じ種子を培地に蒔くことが出来たとしても, 根の最終長の分布は, 種子の空間分布やホルモンの時空間分布によって大きく影響を受けることを意味する. ホルモン感受率一定の場合には, ホルモンの拡散係数の値に依存して周縁効果のようなゆるやかな巨視的パターンが表れることが分かった. さらに, 生長段階に依存したホルモン感受率を導入することによって, 内在する不安定性が拡大し生長に大きな差が生まれ, これが生長のクラスター化を導びく. 我々はこのモデルをホルモンを介した競合生長モデルと呼ぶことにする. 生長段階初期においてホルモンによる影響が大きく現れる現象は環境ホルモン(外因性内分泌撹乱化学物質)でもよく知られている. 成長の極初期に, これらのホルモンにさらされた生物は, その後の成長にも深刻な影響が残り, 性の分化不全や奇形を誘発することが問題となっている. このような観点から, ホルモン感受率は生体の成長を考える上で重要な要素であり, 今後真剣に考慮されるべきものであろう.

5. 謝辞
 本研究は文部省科学研究費補助金萌芽的研究(2)課題番号09878108の一部として行ったものである.

                  参 考 文 献
     1) T. Ohya, H. Kurashige, S. Kai: ACH-Models in Chemistry, 135 (1998) 371-380.
     2) T. Ohya, H. Kurashige, S. Kawaguchi, H. Okabe, S. Kai: Tech. Rept. Kyushu Univ. 72, No.2 (1999) 139-145.
     3) E. P. Odum : Basic Ecology, (CBS College Publishing, 1983) .
     4) M. Begon, J. L. Harper, C. R. Townsend: Ecology, 3rd ed., (Oxford : Blackwell Science, 1996) .
     5) P. F. Wareing, I. D. Phillips: Growth and differentiation in plants , (Pergamon Press, Oxford, 1981) .
     6) F. B. Salisbury, C. W. Ross : Plant Physiology, 3rd ed., (Wadsworth Publishing Co. 1985) .
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     9) S. Kai, T. Mitani, M. Fujikawa, Physica A 210 (1994) 391-402.
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