原子・分子を直接覗く
光学顕微鏡や電子顕微鏡は光や電子線をレンズで屈折・集光させて、拡大した像を実
現しています。ところが約20年ほど前に発明された走査トンネル顕微鏡(STM)
はこれらの顕微鏡とは全く異なった原理で動作しています。つまり、分子や原子の極
近傍(1オングストローム以内)まで細く尖った金属電極を近づけ、その分子や原子
からのトンネル電流の大きさを測定します。針が近ければ電流は多く、遠ければ弱い
ことから、一定の高さで空間的に動かす(これを”走査”という)と分子や原子の配
列形状に応じて、電流の強弱が得られます。その強さの分布から画像をつくり、オン
グストロームで形状を観測する顕微鏡をSTMと呼びます。これを使って様々な物質
の表面の様子を観測することが出来ます。また原子の文字を書くことも出来ます。
走査トンネル顕微鏡(STM)および原子間力顕微鏡(AFM)による物性研究
この研究成果に関する新聞記事 (5.42MB)