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(作成中)


DLC コーティングした溶液射出型電極の作製と評価

極微量な溶液を射出できる内径1μm以下の先端穴をもつ針型電極を作製しています。これを細胞へ刺入もしくは密着させ、 細胞内への物質注入と、細胞膜の電位・電流測定を同時に行います。ただし、生体内もしくは液中測定では、電極は外部と電気絶縁されている必要がありますので、ここでは、水素含有アモルファスカーボン(Diamond-like carbon; DLCと呼ばれます)を絶縁材料としてプラズマCVD法によりコーティングしました。DLCは、面全体に均質で厚膜化しやすく、成膜条件によって硬さなどの膜質を比較的制御しやすいという利点があります。先端部はDLC膜を除去して金属部と開口部を露出させる必要がありますが、露出面積を調整できる独自の剥離技術も開発しました。さらに、DLC膜により電極に高強度化が付加されたため、細胞生理学研究以外にも、例えば、質量分析装置における試料のイオン化に使われるエミッターとしての用途も期待されています。
(図:電極先端部の走査顕微鏡画像。先端径1μm。下半分にDLC膜。)

キーワード:微小電極、Diamond-like carbon、電気絶縁